ホリエモン万博実行委員となった「おかあさん」山本英利氏の集客術
ホリエモン万博2019の副実行委員長を務める山本英利氏は、周りから「おかあさん」と呼ばれ親しまれている人物だ。常に周囲のことを考え行動するおかあさんは、たくさんの人から愛されている。彼はなぜホリエモン万博実行委員となったのか。大切にしていている思いや、集客術について話をうかがった。
山本英利氏プロフィ―ル
大学4年次に、ママチャリで東京から北海道まで旅をする。それをきっかけにさまざまなイベントのお手伝いをするようになる。その後「名前詩人」というサービスを開始しして活躍。また、少人数のイベントから日比谷公会堂でのイベントまで、大小規模のイベントを主催。2016年より「おかあさん」になりたいという思いから、自らを「おかあさん」と名乗り、一軒家を借りてシェアハウス「ここ実ハウス」の運営なども行う。
現在は西早稲田のカフェ「Wecook(ウィークック)」で働きながら、イベントの企画や握り寿司の出張サービスなど、多方面で活躍中。ホリエモン万博2019の副実行委員長を務める。
なぜホリエモン万博の実行委員となったのか?
――2019年2月2日、3日に開催された「ホリエモン万博」で実行委員をされたそうですね。運営側にまわるのは、なかなか難しいイメージがあります。
山本氏(以下おかあさん):
2011年にアタシが主催した日比谷公会堂のイベントに来てすごい感動してくれた女の子がいたの。彼女は、それをきっかけに自分でもイベントをするようになって2018年にはホリエモン万博の副実行委員長、2019年には実行委員長をすることになるの。アタシは2018年のホリエモン万博でまず声を掛けてもらって、そこで初めてホリエモン万博を手伝うことになったわ。そのときは実行委員とかじゃなかったけど、2019年に彼女が実行委員長になってね。だけど、色々悩んでいるみたいな話を訊いて「それなら2019年はアタシも一緒に実行委員としてやる、大変そうだけど乗るわ」となったの。
――日比谷公会堂のイベントがきっかけなんですね、すごいです。
おかあさん:
2018年のホリエモン万博では2~3週間で100人以上のボランティアを集めて。みんなで集中してやったら本当に「今までのホリエモン関係のイベントではできなかったことができてる」と堀江さんから褒めてもらったの。
――あの堀江貴文さんから! ちなみに堀江さんから何と呼ばれているのでしょう。
おかあさん:
堀江さんからも「おかあさん」と呼ばれてるわ(笑)こういうのは名乗った者勝ちだからね。「どうもおかあさんです」と言ったら、ああそうなんですか、おかあさんなんですねとなる(笑)。

――な、なるほど! ちなみにおかあさんはホリエモン万博や他のイベントで、どのように多くのボランティアをまとめていったのでしょう。
おかあさん:
イベントをお客さんのためにやるなら、アタシは「ボランティアの人たちのために生きよう」と思ったの。なぜならお客さんと接してくれるのはアタシではなく、ボランティアスタッフだから。そのスタッフたちが心からお客さんを迎えたいと思っていなければ意味がないの。
じゃあどうやったらボランティアスタッフが「お客さんのために迎えたい」と思うかと考えた時に「アタシのことを好きになってもらうしかない」と思ったの。おかあさんのためだったらアタシやるわって言ってくれる人がいて、初めて成功する。だからアタシは100%スタッフの人たちに尽くそうと思って、たとえば日比谷公会堂のイベントでは本番の1週間前に運動会をやったの。
――運動会!?
おかあさん:
スタッフの子たちが仲良くなれることをやろうと思ってね。みんなで楽しんで、ワ―キャーやって。そうなるとみんな勝手にミーティングとかやってくれるの。アタシのいないところで。
――人を大切にすることで、結果的に人が自主的に行動してくれるようになったのですね。
おかあさん:
それだけ本気でやると、すごい楽しくなってくるわけよ。中途半端にやるとおもしろくないんだけども、本気でやると「もっとこうしたいよね」と意見が出てきて、自分からやり出して楽しくなるの。結果みんなハッピーになる。本気でやるといいものができて、お客さんもハッピーになるし、本気で取り組めたという思い出にもなる。アタシはアタシでもちろんハッピーになるの。

イベントの着眼点についてく
――日比谷公会堂でのイベントを開催し、その他にもさまざまな主催イベントを成功させているおかあさんですが、イベントを成功させる着眼点や秘訣などを教えてください。
おかあさん:
みんなが喜びそうなことをやる(笑)。
――「喜びそうなこと」が肝なんですね。
おかあさん:
そうね。マーケティングで言うと「売れそうなことをやれ」となると思うんだけど、喜びそうなことで考えちゃうわよね。でも最近は売れそうなことも考えるようになったかな。ちょっとずつ経験値溜まってね。
その商品が売れれば新しい商品も開発できて、それも人をハッピーにするなら、「いいじゃん」と思うかな。基本みんなをハッピーにすることであれば、どんどん大きくなってくれればいいと思うから。
――まずは人を幸せにすることを考えてから、アクションを起こす方が良さそうですね。でもやはり儲けたいと思うのが人間という考え方もあります。
おかあさん:
稼いだものは「もらったもの」じゃないと思っているの。「これでまた社会を良くしてください」と、お金を預かってると思っているのね。お金を預かって、社会を良くしようとやってるだけだから、不満もないし不安もない。けれど、「このお金は自分が稼いだものだ! 自分のものだ!」と思うと困ってる人に素直にあげられなかったり、損だの得だのって文句がいろいろ生まれたりするんじゃない?

――なるほど!
おかあさん:
だから困った人がいたら「(こういう時のために)預かっているからどうぞ」と差し出せる。自分の物だとちょっとねと思うけどね。
――すごいな。その発想がないですよね。
おかあさん:
そうね。苦しんで稼いでるとそうなりがちかもしれないね。苦しむと「自分が頑張って稼いだのに!」となるけど。アタシは、楽しんでやって、預かってるからね(笑)。とにかく欲を減らしてる。
――どうすれば欲を減らせるのでしょう。
おかあさん:
欲の減らし方は欲を減らしたいって思うところからじゃない? アタシは欲を減らしたいと思っているから減らしてる。欲を減らすと、怒りも減るし、自分の生きていく最低料金が下がるからラク(笑)。
――そうなってくると身動きが取りやすそうです。
おかあさん:
ブランド物いらないし、かわいい物いらないし、欲しいんだったらちょうだいって言えばくれるし。
――くれないんですよね、誰も(笑)。
おかあさん:
それはあまり必要な物じゃないんじゃない?
――えっ?
おかあさん:
自分に不必要な物はこないでしょう。必要な物だけくるの。だからアタシも不必要な物はくださいとは言わない(笑)。(でも必要な物は)くれなくても言い続ける。今なら、ハワイ行きたいと言い続けてる。くれないんじゃなくて、まだもらってないだけだと思う(笑)。それで死んだらああ、もらえなかったと思うだろうけど。
<後編に続く>
ホリエモン万博で100人以上のボランティアをまとめるために「ボランティアの人たちのために生きよう」と思い、日比谷公会堂のイベントでは運動会までおこなったおかあさん。人の気持ちを考え行動することで人が集まり「おかあさんのためなら」と、いい方向に動き出してくれる。本当に人に愛される人だ。でもそれは、おかあさん自身が人を大事にしているからだろう。後編では、おかあさんの大切にしている思いやイベント集客について話をうかがった。
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