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2019.01.17

TP Interview 005:株式会社家’s 代表取締役社長 伊藤昌徳(前編)

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当時、起業自体が漠然としていた。全力で踏み出してみて見えてくることがある。

 

今回インタビューする伊藤昌徳氏は、地方創生の志を持ち、富山県に移住し起業した。
家庭を持ちながらも、サラリーマンから起業家としての人生を選び、日本文化を後世に残すためにたった一人で現在の箪笥再生活動に至った背景と、自身が大切にしている起業家としての心意気に迫る。

伊藤昌徳(イトウ マサノリ)氏プロフィール

プロスノーボーダーを目指し大学生活を過ごし、ベンチャー企業の幹部採用の支援をするBNGパートナーズに入社。そこで、年間数百名の経営者に会い、様々なビジネスモデルを体感しつつ、役員として同社組織の成長を経験。(2017年8月に退社)その後、東京にて個人で人事コンサルティングを営みつつ、富山県への移住後、地方創生を目指し起業した背景を持つ。
廃棄家財として捨てられた趣の残る箪笥のリメイク~家具レンタル、古民家宿泊施設の運用により、古き良き日本の文化を未来につなげる取り組みを行っている。

1.自己紹介

インタビュアー:まずは簡単な自己紹介をお願いします。

伊藤氏:

伊藤昌徳といいます。北海道出身の30歳です。

大学卒業を機に東京でベンチャー企業への幹部人材の提案をベースとしたコンサルティングを行ってきました。2017年の8月に同社を退職後、富山に移住して、日本文化が色濃く残る『箪笥』を中心に日本文化を後世に残していくための取り組みをしています。

 

インタビュアー:現在の取り組みを教えてください。

伊藤氏:
現在の取り組みは、株式会社家’sとして箪笥を中心に古い日本のアンティーク家具を机やソファ、バスタブとしてリメイクして、販売やレンタルを行っています。実際に、美術館やオフィスなど様々な環境に商品を置かせて頂いています。

あとは、高岡市の福岡町にて『Samurai’s house』という民泊施設を運営しています。こちらは、築100年の古民家をリノベーションして日本文化の発信と観光の拠点を目的につくりました。もちろん箪笥などの日本アンティーク家具も数多く展示しています。

2.現在のビジネスモデルに至った原点

インタビュアー:なぜ、富山で箪笥なんですか?

伊藤氏:

北海道出身で田舎育ちだったので、前から漠然と「地域活性」に興味がありました。ただ、実は富山県にも箪笥にも今回のビジネスを始めるにあたって接点はなかったんです。

 

インタビュアー:きっかけは何だったんですか?

伊藤氏:

前職の知り合いのご縁で、富山県のとある方から古民家を紹介してもらったことが始まりです。築100年の持つ古民家の雰囲気が良かったのと、高岡市の福岡町というところにこの古民家はあるのですが、町並みも素敵で、ここで何かできないかなと思ったんです。古民家を使って何をするかはこの時点では、全く考えていませんでした。

 

インタビュアー:なるほど。タイミングで機会が来て、その中で自分ができることが何かを探しにいったんですね。

伊藤氏:

そうなんです。

当初はその古民家を利用してプログラミングスクールを始めてみようと思って、実際にイベントなどを開催してみたんですが、正直あまりしっくりこなかったんです。自分の強みが活かせるわけではないですし、自分がプログラミングスクールをやる理由が納得できる形で、見つけられなかったので。

もともとビジネスアイディアがあって起業する人が多いのかもしれないですが、少なくとも僕はそうではなかったので、自分なりの方法で事業を探していきました。

3.手探りのビジネスモデルの確立

インタビュアー:なるほど。具体的なアイデアがない中で、サービスを作るのって難しいですよね。実際にこれじゃないなと思った後はどんなアクションをしたんですか?

伊藤氏:

結果として地域を盛り上げている状態であれば、手段へのこだわりがなかったので、高岡市の地域を活性化できるチャンスが少しでもあったら、そこで自分のできることを考えて、実行するようにしています。

また、改めて富山県高岡市を自分の目で見て、地域の特色やリアルな課題を一つ一つ考えていきました。地元の人たちからたくさんのお話も聞きましたし。そんな取り組みをしていたら、大量に廃棄されている古い家財道具に目が向いたんです。

実は高岡市は戦争で空襲にあっていないため、街が焼けていないんです。富山市などと比べて、昔の文化が割と残っていて、日本の古い文化がたくさんある地域柄ですし。なので、100年前の箪笥とかも蔵に眠っていたりするんですよね。100年前のものって、時代を超えてきた風格がすごくて、その魅力に魅せられてしまいましたね。

あと、高岡市は職人の町なので、職人の方々に協力してもらえれば、一緒に何かできるんじゃないか、と思って今の廃棄家財として大量にある『箪笥』を地域の職人さんたちと一緒にリノべートするモデルに至りました。

4.打席に立たなければ、成功も失敗もない

インタビュアー:そうゆう背景があったんですね。独立に走り出してから、手探りで地方での事業を作っていったんですね。でも、よくその状況で独立しようと思いましたね。

伊藤氏:

そうですね。心がけていることがあって、どんな環境でも、とりあえず打席に立つことです。それは、前職で身に染みて学んだことでした。

当時は、これだというやりたい事があったわけではないのですが、絶対に起業しようと思っていたので、たくさん経験して、失敗も成功も学ぶ姿勢でひたすら働いていました。実際失敗の経験は数えきれないほどありましたが。(笑)

 

インタビュアー:たしかに、経験で学ぶことほど実践的なものはないですよね。

伊藤氏:

もちろん、戦略立ててやることは大事ですけど、考えるよりもまず体が動いてしまうタイプなので、ひたすら打席に立つことを意識していました。

その結果、今につながる人脈が得られたり、ベンチャー企業のビジネスモデルを数多く体感できたり、小さい組織が成長していく過程を学ぶことができたので、前職の環境にとても感謝しています。

インタビュアー:その際に学んだ教訓などはありますか?

伊藤氏:

前職の創業者が話していたことなんですが、『成功者に、「すごい成功してますね!」って質問しても、「えっ?いやそうでもないよ。」と答える人が多いみたいなんです。』なぜなら、1つの成功の裏にはだいたい、8つか9つの失敗があるので、本人からすると、「結構失敗してるんだけどなー。」という感覚だそうです。

その話を聞いたときに、なるほどな―と当時分かったつもりでいたのですが、起業してから、少しだけ、本当に少しだけですが、その意味を実感するようになりました。

今の時点で成功の「せ」の字にもいっていないのですが、たまに「すごいですね!」と言って頂けることがあり、その時、「いや、いや」という気持ちになりました。これから事業が拡大して、従業員も増えていく過程で、もっと正確にその意味を知れると思うと、ワクワクしますね。

 

ストイックな挑戦の姿勢で起業をつき進めている伊藤氏が高岡市の地域活性化の取り組みに至った経緯と、現在の『箪笥リノベーション』のビジネスモデルに至った背景について語ってもらった。

成功するためにはまずは打席に立つこと。これまでの人生でも心がけ、現在もその教訓を元に邁進している。後半では、今回の挑戦とこれまでの経過について、実際の地方創生ビジネスの経験に迫ります。

 

<参考リンク>
株式会社家’s

TP Interview 004:株式会社i-plug HR&Business Innovation部 矢島慶佑(前編)

TP Interview 003:株式会社CAMPFIRE FAAVO/CAMPFIREローカル事業部 北山憲太郎(前編)

TP Interview 002:日替わりBar Tonzura オーナー 櫻井謙充(前編)

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