FacebookTwitterHatenaLine

2018.08.08

エレベーターピッチで新規事業や既存事業の整理力を鍛える!

FacebookTwitterHatenaLine

1. はじめに

なんとなく思いついたアイデアや、皆さんが携わっている事業について簡潔に説明するといった機会はあるでしょうか。

今回は、そんな時に役立つ整理方法と表現手段としてエレベーターピッチを紹介します。

エレベーターピッチという言葉は聞いたことがあっても、実は詳しく知らないという方もいるかもしれません。

初期の事業整理、構想にも役立つかと思いますので参考にしてください。

 

2. エレベーターピッチについて再確認

エレベーターピッチを調べると、発祥はアメリカ・シリコンバレーというのが出てきます。

これは、起業家が投資家に会った時に自分のビジネスプランを15秒~30秒で的確に伝える必要があるというものです。

キッカケを掴めるかどうかとても重要なシチュエーションではないでしょうか。

また、30秒程度で話せる文字数が、実は250文字程度とあります。個人の差はありますが、事業や伝えたいことを、「30秒」「250文字」で整理しておくことが重要となります。

ここで、「日本の人事部のエレベータートーク」から一つのエピソードを紹介します。

起業家が、投資家やベンチャーキャピタルの勤務するオフィスのエレベーターの前で待ち伏せし、偶然を装って彼らと同じエレベーターに乗り合わせ、目的階につくまでの短時間にプレゼンテーションを敢行。自らの事業内容の魅力を説得することに成功し、資金調達にこぎつけたというサクセスストーリーに由来しています。

引用元:日本の人事部 – エレベータートーク

結論から先に伝え、メリットを強調し、いかにもっと聞きたいと思わせることができるかが重要とされています。

エレベーターピッチといっても、その場限りの思いつきではなく、しっかりと要点を整理しておくこと、またプレゼンの訓練をしておくことが必要ではないでしょうか。

 

3. エレベーターピッチで事業を整理する

まず一つめに紹介する手法です。こちらは「アジャイルサムライ−達人開発者への道」という書籍の中で、インセプションデッキというプロジェクトの全体像(目的、背景、優先順位、方向性等)を端的に伝えるためのドキュメントを整理する際、エレベーターピッチの整理もされています。

■エレベーターピッチの目的・効果

  • プロダクトが明快になる
  • チームの意識を顧客に向けさせる
  • プロジェクトの核心を捉える

■エレベーターピッチのテンプレート

  • [潜在的なニーズを満たしたり、抱えている課題を解決したり]したい(顧客が解決したい課題やニーズは何か)
  • [対象顧客]向けの、[プロダクト名]というプロダクトは、[プロダクトのカテゴリー]である。(プロダクトはどのようなサービスか:名付けは重要)
  • これは[重要な利点、対価に見合う説得力のある理由]ができ、(顧客にとってなぜ必要であるか)
  • [代替手段の最右翼]とは違って、(既存のものや他社を選択しない理由は何か)
  • [差別化の決定的な特徴]が備わっている。(自分たちのプロダクトの優れている点は何か)

引用元:アジャイルサムライ−達人開発者への道

 

例として、「新採用管理サービス:イージー」という採用統合管理・分析サービスをオリジナルで考えてみました。このサービスの概要は次の通りです。

  •  新卒、中途採用の統合的な管理をするサービスです
  •  サービスはクラウドベースで低価格運用を可能とします
  •  汎用機能で一般化し中小企業は安く利用、大企業+カスタマイズは有料
  •  採用分析、会社業績と照らし合わせ、使えば使うほど自社にマッチした人材を提案する機能を有する

上記サービスをテンプレートに当てはめると次のように整理できます。

1. [採用管理が煩雑で高額な製品しかないのを解決]したい

2.[採用を行う企業]向けの、[イージー]というプロダクトは、[採用管理・面接官マッチング・入社後のフィードバックを備えた簡単で安価なサービス]である。

3.これは[採用管理が簡潔になるだけでなく、入社後のパフォーマンス管理]ができ、

4.[競合の●●]とは違って、

5.[使えば使うほど、採用レベルが向上する設計]が備わっている。

この手法はプロダクトやサービスが端的であるととても有用で、インセプションデッキが目指しているプロジェクトの全体像という点からも納得できるのではないかと思います。

次に、もう一つの手法を紹介します。こちらは「15秒で口説く エレベーターピッチの達人ー3%のビジネスエリートだけが知っている瞬殺トーク」という書籍でも紹介されている手法で、話し手の頭の中を整理するための「GTCメモ」の作成と、話すための本文テンプレートの作成によって整理していく手法です。

 

ステップ1:伝えたいことを整理するGTCメモを作る

GTCとは、『Goal=自分のゴール』『Target=ターゲット(相手)が欲しいもの』『Connect=GとTの2つをつなぐアプローチ』のこと。

引用元:キャリアコンパス世界最短のプレゼンエレベーターピッチ 15秒でチャンスをつかむ極意とは!?

Goalは、自分が求める結論や目的のことを言い、ゴールと位置付け明確に定めることで理解が進み論点が整理されます。例えば、さきほどの「新採用管理サービス:イージー」を題材に考えてみますと、

  • Goal =安価で簡単な採用管理サービスを出すこと

となります。

Targetは、相手のニーズ・欲しているものを言います。本当にニーズが存在しているのか、ヒアリングやアンケートなどの調査情報を整理します。同じく採用管理サービスのケースで言うと

  • Target =安く簡単で採用管理や面接管理ができるものがあれば欲しい

という情報や会社が存在するというのがニーズになります。

Connectは、Goalへ向けて、Targetに対してどのようにアプローチするのかを言います。例えば、現在の不満がどこにあり、提供するサービスで解消できるのか。例えば、新しい課題が存在し、その課題を解決するための機能が提供できるのかなどです。

Goal、Target、Connectそれぞれのポイントを明確にすることで、自分自身の理解も深まり、短い時間で相手に伝えたい情報の整理が可能となります。

 

ステップ1のまとめ

(G: Goal=自分のゴール / T: Target=相手が欲しいもの / C: Connect=GとTをつなぐアプローチ)

G:安価で簡単な採用管理サービスを出したい

T:安く簡単で採用管理や面接管理ができるものがあれば欲しい

C:クラウドを利用したSaaSサービスが主流

C:機能を一般化すれば安価なサービス提供が可能

C:インタビューしたら数社人事部から好評だった

ステップ2:話す順序を決めるため「フック」「ポイント」「クロージング」の順に整理

次に『フック(=ツカミ)』『ポイント』『クロージング』という順に、3つのパートにあてはめ、本文を作ります。

引用元:キャリアコンパス世界最短のプレゼンエレベーターピッチ 15秒でチャンスをつかむ極意とは!?

これは、GTCで整理した内容、文章に落とし込む際の整理に使います。

フックは、Target が欲しいものを整理し、

ポイントは、Connectと同様で GoalとTargetをつなぐアプローチで、

最後にクロージングは、自分のGoalのことを指します。

ステップ1の内容をベースに文章に落とし込んでまとめてみました。

 

ステップ2のまとめ

(フック、ポイント、クロージング)

フック:代替えサービスを欲しているサービス領域があります。それは採用管理サービスです。

ポイント1:クラウドを利用したサービスを後発で開発すれば安価で簡単なサービス提供が可能です。

ポイント2:既に数社の人事部にインタビューしたら代替え検討したいと声をいただきました。

クロージング:新規事業として具体的調査と提案をさせてください。

例題は稚拙かもしれませんが、GTCでまとめ、フック、ポイント、クロージングという流れで整理するという手法はとても考えやすかったです。また2段階になっていますが、慣れてくると、Goal、Target、Connectだけを把握できれば、そのまま全体の文章を整理することも可能になってくるでしょう。

 

2つのケース、それぞれ何文字に整理できたか

以上、2つのエレベーターピッチのための整理手法を紹介しました。

プロダクト、サービスとして考えやすい手法を利用していただくことで、検討しやすいのではないでしょうか。

ちなみに、上記で整理した手法では、それぞれ以下の文字数となりました。

インセプションデッキのケース(173文字)

「採用管理が煩雑で高額な製品しかないのを解決したい。採用を行う企業向けの、イージーというプロダクトは、採用管理・面接官マッチング・入社後のフィードバックを備えた簡単で安価なサービスである。これは採用管理が簡潔になるだけでなく、入社後のパフォーマンス管理ができ、競合のhogehogeとは違って、使えば使うほど、採用レベルが向上する設計が備わっている。」

GTCのケース(140文字)

「代替えサービスを欲しているサービス領域があります。それは採用管理サービスです。クラウドを利用したサービスを後発で開発すれば安価で簡単なサービス提供が可能です。既に数社の人事部にインタビューしたら代替え検討したいと声をいただきました。新規事業として具体的調査と提案をさせてください。」

どちらも200文字以下となっていますので、ゆっくり説明しても30秒程度で話すことはできるのではないでしょうか。エレベーターピッチの長さ、文字数としてはちょうど良さそうです。

 

4. エレベーターピッチを逆算し事業を整理する

紹介した2つのエレベーターピッチ手法から逆算し、事業を整理する上で最低限おさえておきたい点をまとめてみたいと思います。それぞれ次の通りです。

■インセプションデッキの場合

  • 顧客が解決したい課題やニーズ
  • プロダクトはどのようなサービスか:名付け含めて
  • 顧客にとってなぜ必要であるか
  • 既存のものや他社のものを選択しない理由は何か
  • 自分たちのプロダクトの優れている点は何か

■GTCを用いた手法の場合

  • 自分のゴール・目的
  • 相手の課題・ニーズ
  • 課題を解決する手法やアプローチ

上記について事業を整理する目線でまとめてみました。

  1. 事業・プロダクトの名前は何か
  2. 事業・プロダクトが提供している本質的な価値・サービスは何か
  3. 事業・プロダクトが他競合よりも優れている点は何か
  4. 顧客が満足している事業・プロダクトの価値・サービスは何か
  5. 顧客はなぜその事業・プロダクトを選んでいるのか

この5点を整理することで、対象とする事業・プロダクトについての理解と他の方への説明はスムーズになるかと思います。

 

例として、ここでもまた「イージー」という採用管理サービスを整理してみましょう。

①事業・プロダクトの名前は何か

  • イージー

 

②事業・プロダクトが提供している本質的な価値・サービスは何か

  • 採用者の管理(登録、面接調整、フィードバック)

 

③事業・プロダクトが他競合よりも優れている点は何か

  • サービス導入コストが安く、運用がしやすい
  • 採用後の社員評価も反映される

 

④顧客が満足している事業・プロダクトの価値・サービスは何か

  • 一定の採用管理機能が網羅されている

 

⑤顧客はなぜその事業・プロダクトを選んでいるのか

  • サービス導入しやすい
  • コストが安い
  • 次年度の採用方針検討に役立つ

 

文章化すると次のようなイメージです。

採用管理を主体とした「イージー」というサービスがあります。そのサービスは、他社サービスよりも導入・運用コストが安く、運用も容易です。顧客からは、価格と機能の網羅性に共感があり、当該年度だけでなく、次年度の採用方針策定にも役立つという評価を確認しています。(127文字)

あくまで参考にというものですが、エレベーターピッチを逆算した整理の方法も示してみました。

 

5. まとめ:エレベーターピッチで事業整理の訓練を

ここまで、エレベーターピッチの整理の仕方2つ。エレベーターピッチを逆算した事業・プロダクトの整理方法を紹介してきました。

重要なのは、

・端的にそして魅力的に事業・プロダクトを説明できること

・端的にそして網羅的に事業・プロダクトを整理できること

だと考えます。

既にこういう事業整理が得意な人は良いですが、何をどう整理すれば良いかわからないという方は、エレベーターピッチをしてみるというテーマで、練習を繰り返しておくと名刺交換時や本当のエレベーターの場所などでスラスラと説明ができるようになるのではないでしょうか。また、事業・プロダクトのニュースを見た時、気になった物を見つけた時などは、逆算した整理方法などを用いると一定のレベルで理解ができるようになり、人にも説明することが可能になるでしょう。参考になれば幸いです。

(引用参考)

日本の人事部 – エレベータートーク

アジャイルサムライ−達人開発者への道

15秒で口説く エレベーターピッチの達人ー3%のビジネスエリートだけが知っている瞬殺トーク

キャリアコンパス – 世界最短のプレゼン“エレベーターピッチ”! 15秒でチャンスをつかむ極意とは!?

FacebookTwitterHatenaLine
FacebookTwitterHatenaLine