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2018.06.04

業務改善の4原則、ECRS(イクルス)の原則とは?改善事例とツールについて

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業務の効率化に課題があり、運用方法への改革の必要性は感じているが、何から手をつけたらいいかわからないという悩みを抱えた方におすすめなフレームがこのECRS(イクルス)が役立ちます。

ECRSでは、顧客の価値を第一に考えながら、品質を落とすことなく、また逆に品質を引き上げながら、より良い商品・サービスの提供を狙うために事業のプロセスをはじめとしたさまざまなパートにメスを入れるフレームワークです。

今回の記事では、ECRSの概念を理解した上で、実戦で使える効率化の手法をご紹介していきます。

また、実際に、ECRS(イクスル)に基づく効率化を行ったとしても、おおきく事態が解決するとは思えず八方塞がりに感じている方にもぜひ読んでいただきたい記事となっています。

ECRS(イクルス)・バリューイノベーションとは

ECRS(イクルス)とは、顧客にとってのコストパフォーマンスを追求する戦略を立てるために作られたフレームワークであり、その目的からバリューイノベーションとも呼ばれています。

バリュー(value)とは英語で「価値」、イノベーション(innovation)は「革命」を意味します。

このECRS(イクルス)では、コストを引き下げることと同時に、顧客にとっての価値を向上させていき、提供できる価値に革命を起こすというものになります。

カットできるコスト要素は削ぎ落としながら、これまでにない新たな価値を生み出し、顧客へより価値の高い商品・サービスを提供する戦略がERRC(イクルス)というフレームワークなのです。

具体的に、バリューイノベーションを実現するには、「E・C・R・S」という4つのアクションを検討していきます。

それぞれ、Eは、 Eliminate(イリミネート:取り除く)、CはCombine(コンバイン:統合)、RはRearrange (リアレンジ:入れ替え)、Sは Simplify(単純化)というアクションを指しています。

Eliminate(取り除く)

ECRS(イクルス)の原則では、不要な業務を排除することがまず第一となります。

例えば、製品生産を行う工場のケースでは、生産ラインを見直し、不要な工程がないかを徹底的に排除していきます。

また多くの業種に共通して存在する不要な会議の排除や会議時間の短縮のための解決方法の模索と実施、報告・相談・承認といったプロセスの効率化などが行えないかを検討することが可能です。

業務の効率化では、根本的な運用方法から見直し、より手間をかけない業務運用が行える環境を構築することがポイントです。

Combine(統合)

不要な仕事を排除したら、さらに業務活動の中で似た活動や重複作業を探し統合します。
これにより作業コストを引き下げ効率化を実現します。

また、それぞれの担当者に割り当ている業務がまったく異なる分野にまたがって進めている場合は非効率であるため、それぞれの業務内容を似たもの同士で分類し、割り当ての見直しにより効率化を測ることも大切です。

具体的には、複数の部署から顧客へのメールマガジン配信が実施されている場合には、一人の担当者に集約し、各部署からの依頼を受けて、またスケジュール立てまで全て一人の担当者で受ける形に集約することで、他のメンバーの業務負荷を軽減させます。

また、エンジニアなどの専門技術を持つスタッフや営業担当者が事務作業に追われており専門業務に専念できていない状況であれば、アシスタントや事務職を設置することで生産性の向上をはかります。

Rearrange(入れ替え)

Rearrangeは、業務プロセスの流れを見直し、もっと効率的に、より最適な順序となるよう入れ替えるを検討します。

ここでの入れ替えは業務プロセスの順序だけでなく、作業場所や担当作業者の入れ替えも対象としなります。

具体的には、製造工場の工場が青森県にあり、出荷行程として一度大阪府に送られ、そこから各地の納品先へ発送されている場合には、青森県から大阪府までの移送の時間・費用が無駄になるため、製造工場であり、また土地の獲得・維持コストの低い青森県に出荷行程も集約することがあげらレます。

Simplify(単純化)

最後のフェーズとなるSimplify(簡素化)では、ここまでの工程で見直した後、業務実態を測定・分析し、さらに簡素化できる部分はないかを探ります。

ここでは、具体的にツールやシステムの導入を検討することが多いでしょう。

例えば、メールマガジンの配信をマニュアルで行なっている場合には、自動で配信ができるメルマガ配信ツールを導入したり、顧客への見積・請求書管理に時間をかけているのであれば、それをスケジュール基軸に自動化したり、必要な情報がすべて揃ったら、ワンクリックで発行するインボイスシステムを導入すると良いでしょう。

また、ここでは昔から使い慣れており社内で十分に回っていると思われるツールの見直しも大切です。

新しい技術やプロセスが普及されている中で、使い慣れているからという理由で新しいツールを導入できないと、業務効率化や成果の最大化の可能性を潰してしまうこともあります。

ECRS(イクルス)を活用した「トヨタ」の事例をご紹介

自動車メーカーとして世界的な認知度の高い日本企業である「トヨタ」もECRSによる事業改革に取り組んだことは有名です。

トヨタでは、業務の無駄を削除する「Eliminate(取り除く)」活動として、以下の7つの無駄に注目し、取り組みを行いました。

「作りすぎの無駄」とは、生産ラインの中で必要な量以上を作ってしまい、作業を非効率にしてしまったり、生産すべきタイミングに適切に生産ができていないがために、必要な時に在庫がなく納品の遅れなど問題を指します。

「手持ちの無駄」では、業務を行なっている際に何かしらの要因によって次のステージに進めなく立ち往生することで時間を無駄にしている問題を指します。

「運搬の無駄」では、付加価値を産まない移動や物の運搬、情報の流れなどあらゆるものの無用な運搬を指します。

「加工の無駄」とは、主要業務の完成度や質の高さとは全く関係のない不要な作業を指します。

「在庫の無駄」とは、必要のない物が棚に保管されていたり、散乱しておりスペースを無駄していることを指します。

「動作の無駄」とは、付加価値を産まない身体的な動きを指し、例えば会議室の場所が違うビルにあるがために移動に時間がかかることなどを指します。

「不良・手直しの無駄」とは、修正ややり直しが必要な仕事を指し、例えばスキルの低い担当者に業務を渡し、それをベテランの担当者が手直しする時間の無駄が挙げられます。

経験やノウハウをもつ社員を雇用するようにし、新人の教育コストを削減することも無駄の解消に繋がる対策です。
こうした7つの無駄は、当たり前のように日々の業務の中に潜んでおり、思わず目をつぶってしまいがちな課題です。

しかし、これらの問題を解消できるようになると、業務の効率は飛躍し、生産性が上がることとなります。

中小企業への国からの補助を活用しよう

ここまでのご紹介の中でお判りの通り、無駄の削除や業務の効率化にIT技術は非常に有効な選択です。

政府機関もこのことに注目しており、実際に2016年度の補正予算でできた、生産性向上投資に対し、国からの支援を受けられる制度があります。

この制度では、IT投資コストの3分の2まで、100万円を上限に国が補助してくれます。

この他にも、中小企業のIT投資をサポートするための補助金、助成金制度も多数あり、その活用方法に関するセミナーも実施されています。

こうした制度を活用しながら、スピーディーかつ無駄のない業務の運営を実現することで、自社のビジネスをより強固なものへと進化させていきましょう。

業務の無駄をカットし、業務を効率化するツール

では具体的に、どのような業務効率化を実現するITツールを検討したらいいのでしょうか。

ここでは、それぞれの課題別に効率化のツールについて少し考えてみたいと思います。

コミュニケーションの無駄を解消するツール

日々の社内・社外でのコミュニケーションには無駄が潜んでいます。

社内では、外出の多いスタッフや上司とのやりとりがスムーズに行かず、会議という時間をもうけなければならないことが多いですが、社内SNSツールや気軽に連絡ができるチャットツールを使用すれば、効率化できます。

また社外のコミュニケーションでは顧客への見積書の提出や過去の取引履歴に対する顧客からの質問に対して対応コストが発生しますが、これを効率化できるさまざまなツールが存在します。

事務作業を効率化するツール

見積書や請求作業、議事録の作成など、さまざまな事務作業がありますが、自動で処理するツールがたくさんあります。

この作業を手作業で進めている場合には、ECRSの対策としてまず取り組むべきポイントでしょう。

人事・勤怠管理を効率化するツール

日報の連絡やその勤怠状況の確認など、社員はもちろん総務のメンバーはその対応に追われ月末に残業しなければならないケースがよくあります。

しかし、この確認作業は主に、提出に問題がないかを確認し、修正の依頼を各人に依頼する点にあります。

この管理をシステムとして自動化できれば、確認の作業も修正の必要もなくスムーズに進められるようになりますね。

営業活動を効率化するツール

営業成績の報告や管理、承認プロセスの申請など営業は営業活動以外にもさまざまな業務を抱えていますが、このさまざまな業務を効率化しなければ、営業は営業活動に集中できません。

そこで、営業活動を効率化するツールを導入し、業務をより効率化していきましょう。

マーケティング活動を効率化するツール

メールマガジンの配信やSNSへの投稿、アドワーズ広告の最適化、Webサイトの管理などを効率化するツールを使用して、業務を効率化させましょう。

プロジェクトの進行管理を効率化するツール

プロジェクトを進行する際に必要なタスクの管理やガントチャートの作成・運用をサポートするツールを使用し、業務を効率化させましょう。

プロジェクトの進行管理を効率化するツールについては、こちらをご活用ください。

さらに一歩進んだプロジェクト管理を!楽々ガントチャート作成・プロジェクト進行管理ツール最強まとめ8選

顧客サポートを効率化するツール

顧客サポートでは、サポート担当者が顧客情報を把握できずに確認する時間と手間のコストがかかっていますが、情報をデータベースで管理することで、どの担当者でもスムーズにサポートを開始できるようになります。

ビジネスプロセスを効率化するツール

ビジネスプロセスの中では、チーム内での依頼事項やレポートの作成など面倒で手間のかかる業務が多数存在します。

そうした作業をシステム化し、自動的に管理できる仕組みを作ることで、より効率的な管理を実現できるようになるのです。

<参考リンク>
PDCAサイクルはもう古い?これからは「DCAPサイクル」~前編~

顧客状況を分析するフレームワーク、RFM分析、CPM分析について

戦術を正しく導く効果測定の方法 -基礎編-

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