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2018.07.22

事業計画書とは何か。概要と作成メリット

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今回の記事では、自社の事業の進行計画、つまりビジネスプランである「事業計画書」とは何か、またその作成するメリットをご紹介していきます。

事業計画書とは何か?

事業計画書は、新規事業・既存事業に関わらず、これから進める事業が進むべき道筋を計画するものです。

自社のビジネスについてわかりやすくかつ説得力のある資料である必要性があり、「この人だから任せられる」「この人でなければだめだ」と思わせる信頼を勝ち得る事業計画書であることが大切です。

こうした意味では、事業計画書は経営者や役員などの経営幹部がビジネスを運営していくためのツールであったり、社員が仕事を進めていく上での方針・指針を示すためのツール、また取引先などの社外への説明ツールであるなど、自社のビジネスに対するさまざまな協力をえるためのツールといえます。

計画がないよりもあった方が経営者・役員幹部はより良い経営を実現できることは確かです。

もちろん、経営者の頭の中にはこうした計画が立てられているものですが、それを書き起こすことのメリットは、ビジネスの運営をよりスムーズかつ明確化できるということでしょう。

事業計画書は、「法律でこのように書きなさい」という決まりはなく、自由な形式・内容で構成することができますが、それを見る人が理解し納得できる内容でなければならず、そのために必要な記載事項はある程度、一般的にフォーマット化されています。

事業計画書を作成するメリットとは

社内外に自社の事業や経営者の考え方を伝える

冒頭でも少しご紹介しましたが、事業計画書を作成するメリットはまず、社内外に自社の事業や経営者の考え方を正しく伝えられることでしょう。

社内のメンバーについてですが、自分の勤めている会社がどのような経営方針をとっているのか、また自分たちが会社にとってどのような役割を果たしており、何を目指した活動をすべきであるかを明確にします。

自社がどのような企業であることを目指すのか、そしてそれを実現するための具体的な計画を立てることが大切です。

それでは経営方針を設計すればいいのではと思われる方もいることでしょう。

もちろん、経営方針は組織の運営において欠かせないものですが、方針があってもそれを実現するための具体的な計画がなければまさに絵に描いた餅となってしまいます。

具体的に何をしていけばどのような未来に繋げることができるのかを見える化することができれば、闇雲に努力を続けるよりも精神的な安定につながります。

そしてその企業に集まる人々は事業の方針に共感できる人に限定されることとなり、そしてそれを実現していくことで企業の人材流出、つまり退職率の削減が可能となります。

目標や未来が見えた状態で歩むことができれば人は普段以上に努力でき、大きな成果をだすことができるようになります。

また、社外からも例えば融資を受ける際にこの事業計画書をチェックされることとなりますし、その他協力会社の獲得・関係構築にも大きな役割を果たします。

事業をどのような計画で進めるのかを明確にする

事業計画書には、これからどのように事業を進行するのかを計画した内容を記載する未来設計図のようなものであり、その内容は、これから始める新規事業だけでなく既存の事業も共に対象となります。

事業計画書には、既存事業を今後どのように成長させていくのか、またこれから新しく始める事業をどのような段取りでスタートさせ、運営する体制を整えるのかといった内容が記載されます。

そしてその実現可能性を示すためには過去の実績や現在の企業状態も明記される必要性があり、そうした点で、その企業のこれまで、今、そしてこれからという全ての情報が整理されて記載されることとなることから、事業計画書はその企業のすべてがまとめられているものであると言ってもまったく過言ではありません。

企業にはベテランの役員・従業員から新人の社員まで会社に対する理解レベルが異なるメンバーが集まっており、ビジネスにおける能力レベルも幅広くなっていますが、誰もが目標に向けた活動を行う戦力です。

すべてのメンバーが同じ方向を向き、現状と課題を把握しながら前に進むことは事業計画書のような指標がなければ不可能でしょう。

事業の進む先を信じられるようにする

事業において継続して黒字を実現することは、時に困難でしょう。

安定した事業を確立する企業は、BtoBビジネス、BtoCビジネス共に、特別の事情がない限り、着実に顧客の層を増やしていくことで緩やかな成長を実現させていくものです。

しかしその過程で、「この事業が儲かるようになるにはいったいいつになるのか?」「そもそも事業の実現性はあるのか?」といった、この事業をこのまま続けていても儲からないビジネスのままなのではないかという不安が生まれ、儲かるようになることへの希望を失い挫折感を感じることは残念ながら多々あります。

目の前が見えない状態で歩むことは不安の原因となり、不安はさまざまな問題を招きます。

そのため、企業は社員がこれから自社が歩む道を信じて前向きに着実に成果を伸ばしていけるように信じるものを提示することが有効であり、そこで非常に有効な働きをするのが事業計画書なのです。

経営管理能力の向上と人材の育成

事業計画の策定では、企業を取り巻く現状の分析や問題点・課題を抽出し、目標の設定、行動内容やスケジュールの立案などを検討します。

また、その計画に盛り込まれた内容は、行動する時期や役割分担、予算などを明確化し実行をしていきます。

これを策定するための議論や分析を重ねることは、ビジネスをより成長させるために重要な検討であり、企業には計画内容の実行に向けた仕組みが構築されます。

そして、事業計画の策定に社内の人材を参画させるなど、社内に自社の経営を考える場を創出することで人材の育成を図ることが可能です。

企業において経営上の意思決定は、一般的には社長をはじめごく一部の経営層が担っていたり、また中小企業の中には社長からのトップダウンとしてすべての判断を下す企業もよく見られます。

しかし、事業計画の策定・実行にあたっては、企業の新しい事業活動を検討し、新たな取り組み内容を展開することになり、そのためには過去の経験や従来の発想にとらわれない斬新なアイディア・考え方も必要になります。

したがって、計画の策定に際しては、社内のさまざまな人材を参画させ、さまざまな意見を取り入れることが重要です。

また、事業計画の策定に社内の人材を巻き込むことで、社員による自社の経営に対する関心や日々の仕事に対する熱意の向上が期待できます。

例えば、事業計画の行動内容に基づき、各社員の役割やスケジュール、到達目標、評価基準などを具体的に明示することで、経営や仕事に対する理解度は向上します。

こうして経営の見える化を実現することにより、各社員の熱意・理解度を高め、仕事へのモチベーションが向上します。

事業計画書を作成するメリットの例

ここまで事業計画書の概要とその作成メリットをご紹介してきましたが、もう一段階しっかりと理解できるようにするため、ここで具体的な例にもとづいてご紹介してみたいと思います。

メリット1 脱融資獲得の事業計画書!によって事業が成功

例えば、田中さんは起業する際に地方銀行から融資を獲得するため事業計画書を作成しました。

その後企業は安定的な成長の過程を遂げ、さらに田中さんは事業を拡大するための銀行からの融資に挑戦することにしました。

田中さんは事業計画書を起業時に作成して以降一度も作成していませんでした。

そのため、色々と事業が進んだ中で事業計画書を作成すること、また既存の業務の中で計画書を作成する時間の捻出が難しいことから税理士や経営コンサルトと相談しながら作成することとしました。

その時すでに田中さんの企業には50名を超えるスタッフが在籍していたため、社員のメンバーすべてと密に会話を重ねることができず、ほとんど会話をしたことのない社員も多数いるため、経営者の考えているビジョンが全く伝わっていない社員も多く存在していました。

そこで経営コンサルタントはその事業計画を実現するためには社員からの理解や経営の進捗状況の確認ができるような目的も考えた上で事業計画書を作成するよう助言しました。

そして、事業計画が単なる理想論となるのではなく、それを実現するために数字を使用した進捗チェックができるような体制を整えるような事業計画書を作成できました。

これにより、銀行からの信頼を勝ち取ることはもちろん、作成した事業計画がしっかりと実現させながら事業を進行させる組織としての強さをもつこととなり、事業の繁栄を確かなものにすることが可能になりました。

メリット2 事業計画書により社内のやる気アップ・雰囲気改善

ITソフトウェアサービスの開発・販売提供・顧客サポートの事業を運営する片川さんの会社(B社)には、開発・営業・マーケティング・顧客サポートという4部署に分かれ約150名が在籍しています。

ITサービスにおいては激しい競合によるクライアント確保競争が巻き起こっており、常に新しい機能・サービスの提供が求められておりB社も例外ではありません。

開発チームはトレンドの機能・サービスを次々とリリースし、マーケティングチームがそれを追いかけながらより多くの顧客獲得・認知活動を行い、それに対して営業チームが商談をクロージングする流れとなっています。

一見するとビジネスフローがしっかりと確立されており正しい歩みができているようですが、社内では「方針がコロコロと変わりついていけない」「先の見えないチャレンジばかりで不安」と言った不満が上がり指揮が下がっていました。

そこで片川さんは社内の主要メンバーと共に5年計画での事業計画書を作成し、事業の社会に置ける使命とそれを実現するためのロードマップを明確にし、社内・外に公開しました。

これにより、社内全体の統率がとれ、それに続く社内の安心を獲得することにつながりました。

もちろん、トレンドの変化に応じて計画書の修正を行うことも行いますが、トレンドを追いながらもしっかりとした計画に基づく活動がとられるようになりリスク軽減も実現しました。

事業計画書を作成する際の注意点

事業の目的が一方的な想いにとらわれないように注意しましょう

新たな事業に挑戦するにあたっては、経営者の強い想いが込められていることが多いでしょう。

その情熱はビジネスにおいて非常に重要であり、それがあるからこそ「この人だからこそこのビジネスを成功させることができるだろう」と多くの人が共感し、協力を得ることが可能となります。

しかし、事業計画書を作成する際には、その想いにとらわれ過ぎて現状の市場動向やニーズ調査などの分析の過程で結果を自分の想いに寄せてしまうケースがあります。

例えば、ある地元の地域で「学生向けのボリュームたっぷりの定食レストランを開きたい」という想いから事業をスタートしようとしても、市場の調査ではその地域は高齢者化が進み健康思考の傾向にあるというデータがあったにも関わらず、アンケート調査をその地域に住む一部の学生に限定してしまったとします。

このようなケースでは、健康志向の人向けのレストランを開設する方がビジネスが成功できることは明白です。

経営者の想いやそれに取り組む情熱はビジネスに重要ですが、その熱意が独りよがりな方向に進まないよう、収集した情報を慎重にかつ冷静に取り扱うことが求められるのです。

資金調達の手段であることを事業計画作成の目的にしない

事業計画書を作成する目的として資金の調達に重きを置いてしまうことはよくあるケースです。

例えば、本当はビジネスとしてこんなことを挑戦し、このような体制で進みたいと思っていても、「とにかく資金を調達したい」という想いから、資金調達がしやすいような方針、目的に変えてしまい、本来の方向性から逸脱してしまうこともあるでしょう。

しかし、計画は実行するためにあるものであり、決して資金調達のためだけに作成されるべきではありません。

もちろん、本来、本当にやりたい方向性から外れた事業計画書を利用して資金調達を獲得することはビジネスの一つの手段として有りなのかもしれません。

しかし、苦労の末に借り入れたお金を十分に運用できなければ、手元の資金は宝の持ち腐れとなってしまいますし、借り入れのお金には金利負担も発生します。

じっくりと本当に事業が進みたい方向を検討し、念密な分析を経て作成された計画書は、自社の現状や問題点・課題を明確に捉えており、また将来のあるべき姿に向けた多くの示唆も得ることができます。

当然に、計画はあくまで計画であることから、実行している過程で「もっとこうした方がいいのではないか」ということもあるでしょう。

その際には、より良い計画となるよう事業計画に手を加えることはもちろん良いことです。

実行時には事業計画書を改めて見返す時間を定期的に設けるようにすることで、借り入れた資金による事業の成果は負担を上回る企業の成長につながることでしょう。

最後に

事業計画書で作成したことが実現できた時に喜ぶのは経営者・社員だけでなく、その企業の製品・サービスの提供を受けている顧客も含まれます。

企業は顧客によって支えられており、顧客が自社の製品・サービスに魅力を感じるからこそ、企業は存在しえます。

そして顧客の満足度が高まれば、自社の製品・サービスは既存の顧客からより強く支持を受けることとなり、その結果顧客の数は増え、売上高・利益の向上を大いに期待できます。

つまり、顧客満足度の向上は、企業の収益という形で還元される、これが企業の正しい成長の姿であり、強く、優良な企業として存続する根幹のものとなるのです。

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